AIによる音楽生成は、今や個人クリエイターから企業マーケターまで幅広く活用されています。中でも「Suno AI」は、高品質な楽曲生成機能で注目を集めているAIツールのひとつです。
しかし、気になるのは商用利用が可能かどうか。「YouTubeやTikTokで収益化したい」「広告音楽に使いたい」という方にとって、利用規約の確認は非常に重要です。
本記事では、英語が苦手な方でも安心して使えるように、Suno AIの商用利用可否について、利用規約の原文とともにわかりやすく解説します。
Suno AIとは?

Suno AIは、テキスト入力から高品質な楽曲を自動生成するAI音楽制作ツールです。2023年のサービス開始以来、急速な進化を遂げ、2025年5月には最新バージョン「v4.5」がリリースされました。
主な特長
1. テキストからの楽曲生成
・ユーザーが入力したテキストプロンプトに基づき、ボーカルや楽器を含む楽曲を自動生成します。
・ジャンルや雰囲気、楽器構成なども指定可能で、オリジナルの楽曲制作が手軽に行えます。
2. 日本語対応
・日本語の歌詞入力やプロンプトにも対応しており、日本の音楽スタイルに特化したプリセットも用意されています。
・伝統音楽からポップスまで幅広いジャンルの楽曲制作が可能です。
3. 多様な出力設定とカスタマイズ
・楽曲の長さ(最大8分)、ジャンル、雰囲気など、多彩な設定が可能です。
・異なるジャンルの融合(例:「EDM × フォーク」)も自然に実現できます。
4. カバー&ペルソナ機能
既存の楽曲を異なるスタイルでリメイクする「カバー」機能と、楽曲の雰囲気やスタイルを保存・再利用できる「ペルソナ」機能が統合されています。
5. その他の機能
・Replace Section:楽曲の特定部分を修正・再生成できる機能。
・Suno Scenes:画像からインスピレーションを得て楽曲を生成する機能。
・Remaster:旧バージョンで作成した楽曲を最新の音質にアップグレードする機能。
WebブラウザやiOSアプリから操作可能で、直感的なUIが特長です。
v4.5リリース
2025年5月にリリースされた「v4.5」では、以下のような大幅な機能強化が行われました。
・最大8分の楽曲生成:従来の最大4分から、最大8分までの長尺楽曲の生成が可能になりました。
・ボーカル表現力の向上:ボーカルの感情表現や音域が強化され、ささやき声から力強い歌声まで多彩な表現が可能になりました。
・ジャンルの拡張とマッシュアップ:対応ジャンルが大幅に増加し、異なるジャンルの融合も自然に実現できます。
・プロンプト強化ヘルパー:簡単なタグや概要から、詳細なプロンプトを自動生成する機能が追加されました。
・Cover Art生成:楽曲の雰囲気に合わせたカバーアートを自動生成する機能が追加されました。
日本での利用について
Suno AIは、Googleアカウントや電話番号での登録が可能で、日本からも利用できます。プラットフォームは英語表記ですが、ブラウザの翻訳機能を利用することで日本語での操作も可能です。
Suno AIの利用プラン

2025年5月現在、Suno AIには無料プランと有料プランがあります。
・無料ユーザー:v3.5までの機能が利用可能
・有料メンバー(Pro / Premier):v4以降の最新機能(v4.5含む)が利用可能
※商用利用については、プランによって条件が異なります(後述)。
Suno AIのライセンスについて
Suno AIで生成した作品を使用する際には、ライセンスの観点も重要です。
コンテンツの権利帰属
Suno AIで生成したコンテンツの権利関係は以下のようになっています。

日本語訳:
コンテンツ: ユーザーは、提供物(そこに含まれるすべての著作権および肖像権を含む)に対するすべての権利、権原、および権益を利用者が所有していること、および利用者が必要なすべての権利を保有しているか、またはSunoに本契約に定める権利およびライセンスを付与するために必要なすべての同意を得ていることを表明し、保証するものとします。
つまり、基本的にはSuno AIに入力する素材(テキストなど)については、ユーザー自身が権利を持っているか、正当な使用許可を得ている必要があります。
商用利用について
Suno AIの利用規約には、商用利用に関する重要な条項があります。

日本語訳:
本利用規約を遵守することを条件として、ProまたはPremierの有料プランに加入しているユーザーの場合、Sunoは、ユーザーの有料プランの加入期間中に、サービスを通じてユーザーが行った提出物から生成された、Sunoが所有するあらゆる出力物(Output)に対するSunoのすべての権利、権原、および利益をユーザーに譲渡します。
これは有料プランユーザーに対する条項です。続いて、無料ユーザーに関する条項を見てみましょう。

日本語訳:
無料またはBasicプランのユーザーである場合、ユーザーはサービスを通じてユーザーが行った提出物から生成された出力物を、いずれの場合もSunoに帰属クレジットを与えることを条件に、合法的で、内部的、個人的、かつ非商業的な目的のためにのみ使用することを誓約し同意します。
商用利用はできるのか?【結論:有料メンバーのみ可】
無料ユーザーの場合
Suno AIの利用規約には、明確に「非商業的な目的のためにのみ使用する」という記載があります。つまり、無料ユーザーは商用目的での利用が明確に禁止されています。
有料メンバー(Pro・Premier)の場合
一方、有料メンバー向けの利用規約では、Sunoが生成した出力物に対するすべての権利をユーザーに譲渡するとしています。これにより、有料プランのユーザーは生成された楽曲を商用目的で利用できます。
具体的には、以下のような用途が可能です。
・YouTubeやTikTokなどでの収益化コンテンツ
・広告・プロモーション動画のBGM
・ポッドキャスト、ウェブセミナーの音楽
・商用ゲームやアプリの音楽
ただし、著作権の問題については注意が必要です。Suno AIは生成した音楽に対する権利をユーザーに譲渡するとしていますが、その記述には「However, due to the nature of machine learning, Suno makes no representation or warranty to you that any copyright will vest in any Output.」(機械学習の性質上、出力物に著作権が発生するかどうかについては表明や保証をしません)という但し書きがあります。
クレジット表記について
Suno AIで生成した楽曲を使用・配布する際のクレジット表記については、以下のような規定があります。
・無料プラン:Sunoへの帰属クレジットを各ケースで表示する必要があります。(「Created with Suno AI」など)
・有料プラン:明確な記載はありませんが、権利が譲渡されるため基本的にはクレジット表記は任意と考えられます
商用利用の注意点
商用利用できるとはいえ、以下の点には注意が必要です。
第三者の権利を侵害しない
他人の歌詞や音楽を無断で入力すると、肖像権・著作権の侵害になる可能性があります。
無料プランは制限あり
無料ユーザーは非商業的目的でのみ使用可能で、商用利用は明確に禁止されています。商用利用したい場合は、必ず有料プランの契約が必須です。
競合サービスの開発には使用不可
Suno AIの規約では、「Sunoと競合する製品やサービスの開発・提供目的」での利用は禁止されています。
まとめ
Suno AIは最先端の音楽生成AIとして注目を集めていますが、商用利用については重要な区分があります。無料プランでは商用利用が明確に禁止されており、ビジネス目的で活用するには必ず有料プランへの加入が必要です。
有料メンバー(ProまたはPremier)になれば、YouTubeでの収益化や広告制作など幅広いビジネス用途に自由に使用できるようになります。最大8分の高品質楽曲を生成できる技術力と、豊富なカスタマイズオプションは、他の有力AIと比較しても優れた点と言えるでしょう。
ただし、他者の権利侵害や競合サービスの開発目的での使用は禁止されていますので、利用規約をしっかり確認した上で活用することをおすすめします。
本記事は2025年5月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
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