【2025年5月】Kling AIは商用利用できるのか?利用規約をもとに徹底解説

AIによる動画や画像の生成は、今や個人クリエイターから企業マーケターまで幅広く活用されています。中でも「Kling AI」は、高品質な動画生成機能で注目を集めているAIツールのひとつです。

しかし、気になるのは商用利用が可能かどうか。「動画配信で収益化したい」「広告動画に使いたい」という方にとって、利用規約の確認は非常に重要です。

本記事では、英語が苦手な方でも安心して使えるように、Kling AIの商用利用可否について、利用規約の原文とともにわかりやすく解説します。

Kling AIとは?

出展:Kling AI公式サイト(https://klingai.com/global/

Kling AI(クリング)は、中国の大手テック企業Kuaishou(快手)が開発した、テキストや画像から高品質な動画を生成するAIプラットフォームです。​2024年のリリース以来、リアルな動きや物理的な表現力で注目を集め、2025年4月には大規模アップデート「Phase 2.0」が公開されました。

主な特長

1. テキスト・画像からの動画生成
Text to Video:​ユーザーが入力したテキストプロンプトから、最大2分間の1080p動画を生成します。
・Image to Video:​静止画に自然な動きを加え、リアルな動画に変換します。​

2. 高度な物理シミュレーションと時間的一貫性
・独自の「3D時空間アテンション」技術により、時間軸と空間軸を統合して処理し、滑らかで自然な動きを実現します。
・物理法則に基づいた動きや光の表現が可能で、実写に近い映像を生成します。

3. 多様な出力設定とカスタマイズ
動画の長さ(5秒/10秒)、解像度(最大1080p)、フレーム比率(横型/縦型)、創造性レベルなど、多彩な設定が可能です。

4. カスタムAIモデルの学習機能
ユーザーが提供した画像データから、特定の人物やキャラクターのカスタムAIモデルを作成し、一貫性のある動画生成が可能です。 ​

5. Elements機能によるカスタマイズ性 
キャラクターやオブジェクト、背景など最大4つの要素を組み合わせて一貫性のある映像を作成可能

アプリやブラウザ上から操作可能で、直感的なUIが特長です。

Phase 2.0の新機能

2025年4月にリリースされた「Phase 2.0」では、以下のような大幅な機能強化が行われました。

映像品質の向上:​動きや表情がより自然になり、リアルな表現が可能になりました。

KOLORS 2.0:​画像生成機能が強化され、多彩なスタイルでの画像生成が可能になりました。

マルチエレメントエディター:​動画内のオブジェクトを追加、削除、変換が可能になりました。

画像編集・リスタイル機能:​既存の画像を編集し、新たなスタイルに変換する機能が追加されました。

日本での利用について

Kling AIは、Googleアカウントやメールアドレスでの登録が可能で、日本からも利用できます。​プラットフォームは英語表記ですが、ブラウザの翻訳機能を利用することで日本語での操作も可能です。

Kling AIの利用プラン

出展:Kling AI公式サイト(https://klingai.com/global/)※ログインが必要

2025年5月現在、Kling AIには無料プランと有料プランがあります。

無料ユーザー:基本機能は無料で利用可能、動画にウォーターマーク付き、商用利用不可
有料メンバー(Standard / Pro / Premier):高速生成、プロフェッショナルモード、クレジット付与、ウォーターマーク削除、商用利用可

商用利用をしたい場合は、有料メンバーになる必要があります

Kling AIのライセンスについて

Kling AIで生成した作品を使用する際には、ライセンスの観点も重要です。

コンテンツの権利帰属

Kling AIで生成したコンテンツの権利関係は以下のようになっています。

出典:Terms of Service(https://klingai.com/docs/user-policy

日本語訳:
4.4 適用法によって許可される範囲内で、サービスの過程で生成された出力(Output)に関連する知的財産およびその他の財産的権利(もしあれば)は、適用法によって定義される所有者に帰属するものとします。

つまり、基本的にはKling AIを使って生成した作品(Output)の権利はユーザーに帰属しますが、プランによる違いがあります。無料ユーザーは商用目的での利用が明確に禁止されています。

ライセンスの制限事項

使用禁止コンテンツに関する規定

出典:Terms of Service(https://klingai.com/docs/user-policy

日本語訳:
3.1 本サービスへのアクセスおよび使用は、本契約およびすべての適用法規の対象となります。お客様は以下のことを行ってはなりません:
[…]
(j) 他者を脅迫または嫌がらせすること、または性的に露骨な素材、暴力、または人種、性別、宗教、国籍、障害、性的指向または年齢に基づく差別を促進すること;
[…]
(p) 他者の著作権、商標またはその他の知的財産権またはプライバシー権を侵害する、または侵害する可能性のある素材;
[…]
(r) 犯罪行為、危険な活動または自傷行為を構成、奨励、または指示するような素材;

この規定は、有料・無料問わず全ユーザーに適用される制限事項です。差別的コンテンツ、暴力的内容、性的表現、著作権侵害、犯罪行為の助長など、倫理的・法的に問題のあるコンテンツの作成は禁止されています。

入力素材(Input)の権利に関する規定

出典:Terms of Service(https://klingai.com/docs/user-policy

日本語訳:
4.3 お客様は、インプットに関する知的財産権を保有している、または関連する所有者からインプットの使用に関する法的許可を得ていること、およびインプットの使用が適用法規に違反せず、第三者の正当な権利や利益(著作権、特許、商標およびその他の知的財産権、人格権、個人データ権およびその他の権利や利益を含むがこれらに限定されない)を侵害しないことを保証し、約束します。

Kling AIに入力する素材(画像や音声など)については、ユーザー自身が権利を持っているか、正当な使用許可を得ている必要があります。他人の画像や素材を無断で使用することはできません。

クレジット表記について

ウォーターマークとクレジットに関する規定

日本語訳:
4.5 お客様は、当社の書面による許可なく、AIの機能を使用してコンテンツを生成、配布または普及させる場合、出力インターフェースに関連するブランドおよびロゴ(「Kling AI」、「Kling AI 1.0/1.5」、「Kling」、「KELING」/「keling」、「Kling」/「kling」、「KLINGAI」/「klingai」、「Kling AI+」、前述のブランドやロゴに基づくまたは派生した他のブランドやロゴ、および前述のブランドやロゴと他のものとの組み合わせを含むがこれらに限定されない)を表示するものとします。

生成したコンテンツを使用・配布する際には、Kling AIのブランド名やロゴを表示する必要があります。無料プランでは自動的にウォーターマークが付き、有料プランでも「Kling AIで作成」などのクレジット表記が推奨されています。

商用利用はできるのか?【結論:有料メンバーのみ可】

無料ユーザーの場合

Kling AIの利用規約には、明確に以下の記載があります。

出展:Terms of Service(https://klingai.com/docs/user-policy

日本語訳:
4.6 お客様は、お客様が適用法に従ってインプットおよび/またはアウトプットに関する知的財産権、肖像権、またはその他の合法的な権利または利益を保有している場合、お客様と当社との間で別段の合意がない限り、本サービスの利用はかかる合法的な権利または利益の譲渡を構成しないことを認識し、同意するものとします。具体的には、当社の書面による許可なく、お客様は、いかなる商業目的においても、アウトプットを使用、複製、配布、派生物の作成、およびアウトプットの変更を行うことはできません。

つまり、無料ユーザーは商用目的での利用が明確に禁止されています。

有料メンバーの場合

一方、有料メンバー向けの利用規約には以下の記載があります。

出展:Terms of Paid Service(https://klingai.com/global/docs/payment-policy

日本語訳:
Kling AIの有料メンバーによる出力物の商用利用は制限されません。 あなたは、その出力物を商業目的で使用、複製、配布、改変、および二次的著作物の作成を行うことができます(ただし、Kling AIと競合するサービスの開発や提供を目的とする場合を除く)。

つまり、有料会員であれば、YouTubeでの収益化、Web広告やLP動画、改変・コラージュなどの二次創作ができるということです。

商用利用の注意点

商用利用できるとはいえ、以下の点には注意が必要です。

第三者の権利を侵害しない
他人の顔写真や音声を無断使用すると、肖像権・著作権の侵害になる可能性があります。

無料プランは制限あり
無料ユーザーの出力物にはウォーターマークが付き、商用利用は明確に禁止されています。 商用利用したい場合は、必ず有料プランの契約が必須です。

競合サービスの開発には使用不可
Kling AIの規約では、「Kling AIと競合する製品やサービスの開発・提供目的」での利用は禁止されています。

まとめ

Kling AIは最先端の動画生成AIとして注目を集めていますが、商用利用については重要な区分があります。無料プランでは商用利用が明確に禁止されており、ビジネス目的で活用するには必ず有料プランへの加入が必要です。

有料メンバーになれば、YouTubeでの収益化や広告制作など幅広いビジネス用途に自由に使用できるようになります。最大1080p/30fpsの高品質動画を最長2分生成できる技術力と、物理法則の精密な再現性は、他の有力AIと比較しても優れた点と言えるでしょう。

ただし、他者の権利侵害や競合サービスの開発目的での使用は禁止されていますので、利用規約をしっかり確認した上で活用することをおすすめします。

本記事は2025年5月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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