AIによる画像生成は急速に進化し、今や個人クリエイターから企業マーケターまで幅広く活用されています。中でも「Midjourney」は、高品質な画像生成AIとして注目を集めています。
しかし、気になるのは商用利用が可能かどうか。「ビジネスコンテンツに活用したい」「制作物に使いたい」という方にとって、利用規約の確認は非常に重要です。
本記事では、Midjourneyの商用利用可否について、利用規約の原文とともにわかりやすく解説します。
Midjourneyとは?

Midjourneyは、Midjourney, Inc.が開発した高度なAI画像生成ツールとして知られており、テキストプロンプトから高品質な画像を生成できるサービスです。
主な特長
1. 高精度な画像生成
自然言語のプロンプトから、リアルで詳細な画像を生成します。
2. 多様なスタイル対応
写真風、イラスト風、アニメ風など、幅広いスタイルに対応しています。
3. Web版とDiscordの両方で利用可能
公式サイトやDiscordを通じて、簡単に画像生成が行えます。
4. 画像編集・修正機能
生成した画像の一部を編集・再描写する機能も搭載しています。
最新バージョン「V7」の新機能
1. ドラフトモード
高速な画像生成が可能なモードで、従来の約10倍の速度で画像を生成します。アイデアのスケッチやプロトタイプ作成に最適です。
2. パーソナライズ機能の強化
ユーザーの好みに合わせた画像生成が可能になり、特定のキャラクターやスタイルを維持した画像を作成できます。
3. テクスチャと描写の精度向上
手や顔などの細部の描写がより自然になり、リアルな表現が可能になりました。
4. 音声プロンプト対応
音声入力による画像生成が可能になりました。※ただし、アルファ機能
日本での利用について
Web版では、Googleアカウントで登録でき、日本からも利用できます。
Midjourneyの利用プラン

2025年5月現在、無料トライアルは提供されておらず、有料プランのみとなっています。
商用利用はできるのか?【結論:可】
著作権と利用権
Midjourneyの利用規約には、明確に以下の記載があります。

日本語訳:
あなたは、本サービスで作成したすべてのアセットを、適用法のもとで可能な限り完全に所有します。
あなたの所有権は、本契約によって課される義務および第三者の権利の対象となります。あなたが間収益が100万米ドル(約1億5,000万円)を超える企業またはその従業員である場合、アセットの所有には「Pro」または「Mega」プランの加入が必要です。
つまり、Midjourneyで生成された画像(アセット)の権利はユーザーに帰属し、商用目的での利用が可能です。
コミュニティガイドラインと利用制限
Midjourneyの利用規約には、以下のような禁止事項が明記されています。

敬意と安全性に関する禁止事項
・他者や運営スタッフに対して敬意を欠く、攻撃的、憎しみを煽る、または虐待的なコンテンツの作成
・アダルトコンテンツや暴力的なコンテンツの生成
・視覚的に衝撃的または不快なコンテンツの作成
著作権と創作物に関する禁止事項
・許可なく他者の創作物を配布または公開すること
・他者の著作権、特許、商標の侵害を試みること
政治や選挙に関する禁止事項
・政治キャンペーンのための画像生成
・選挙結果に影響を与えようとする試み
詐欺や違法行為に関する禁止事項
・詐欺や欺瞞を目的とした利用
・違法行為に関連する画像の生成
・画像の性質や出所について受信者を意図的に誤解させること
これらの禁止事項は、Midjourneyを安全かつ倫理的に使用するための重要な境界線です。商用利用においても、これらのルールを尊重することがAI活用の持続可能性を高めます。
ステルスモードと公開設定
Midjourneyはデフォルトではオープンなコミュニティであり、生成した画像は自動的に公開され他のユーザーがアクセスできる仕組みになっています。ビジネスやプライベートで機密性が求められる場合に備え、特定のプランではステルスモード機能が提供されています。しかし、この機能にも注意すべき制限があります。

日本語訳:Midjourneyはオープンなコミュニティであり、公開設定で投稿された場合、他のユーザーがあなたのコンテンツを使用およびリミックスすることを許可しています。デフォルトでは、あなたのコンテンツは公開表示され、リミックス可能です。
「Pro」または「Mega」サブスクリプションの一部として、または以前利用可能だったアドオンを通じて「ステルス」機能を購入した場合、サービス内でステルスモードを有効にした状況で作成したアセットを公開しないよう最善の努力をすることに同意します。
ステルスモードが有効であっても、Discordチャットルームのような共有または公開スペースで作成した画像は、そのチャットルーム内の誰でも閲覧可能であることに注意してください。
つまり、Midjourneyで生成した画像は基本的に公開されますが、上位プランではプライバシーを保護するステルス機能が利用できます。ただし、この機能はDiscordのような共有スペースでは限定的にしか機能しないため、真に機密性が求められるプロジェクトでは利用環境にも注意が必要です。非公開での作業を重視する場合は、ウェブインターフェースでの利用をおすすめします。
著作権登録に関する重要な注意
米国著作権局(USCO)は2023年2月、「人間の創作的寄与が認められない部分」 については著作権登録の対象外とするガイダンスを公表しました。
そのため Midjourney、DALL·E、Stable Diffusion などで完全に自動生成した画像は原則として登録できませんが、プロンプト設計や後編集を通じて十分な人間の創作性を示せれば、登録が認められる余地もあります
もっとも、Midjourneyの利用規約では、ユーザーは生成したアセットを最大限に所有し、商用利用できるライセンスを付与されています。
したがって 「著作権として登記できるか(法的保護)」 と 「サービスが認める商用利用権(利用許諾)」 は別概念である点に注意してください。第三者の権利侵害がないことを前提に、ライセンス上はビジネス利用が可能です。
商用利用の注意点
商用利用できるとはいえ、以下の点には注意が必要です。
著作権と類似性の確認

日本語訳:
サービスの可用性と品質… サービスとアセットの両方は、「現状のまま」で提供され、明示的または黙示的を問わず、いかなる種類の保証や条件もありません…
生成された画像が既存の著作物に類似していないかを確認し、商用利用する際には十分な注意を払うことが重要です。
公開設定と機密性
デフォルトでは、生成された画像は公開され、他のユーザーがリミックスすることも可能です。機密性の高いプロジェクトでは、ProプランまたはMegaプランでステルスモードを活用するか、生成環境に注意を払う必要があります。
紛争解決と準拠法

日本語訳:本規約に起因または関連する紛争、論争、または請求(「紛争」)が発生した場合、紛争は裁判所ではなく拘束力のある仲裁によって解決されます。
利用規約に関する紛争は、カリフォルニア州法に基づき、アメリカ仲裁協会の国際紛争解決センターによる拘束力のある仲裁で解決されることが定められています。
まとめ
Midjourneyは高性能な画像生成AIサービスとして、幅広い用途に活用できます。最新バージョンのV7や機能拡張により、ますます使いやすく高性能になっています。
商用利用については、Midjourneyの利用規約に明記されているように、有料プランを購入することで商用目的での使用が可能です。ただし、年間売上1億5000万円を超える企業はProプランかMegaプランが必要となります。
画像の著作権登録は原則として認められていませんが、Midjourneyのライセンス条件に基づいて、商用利用などの権利は認められています。利用の際は禁止事項の遵守や、公開設定・機密性に注意を払うことが重要です。
2025年5月時点で最新のV7モデルやウェブインターフェース、画像編集機能など、Midjourneyは進化を続けています。ビジネスシーンでの活用を検討する際は、最新の機能と利用規約を確認した上で、効果的に活用しましょう。
本記事は2025年5月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
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