画像生成AIの世界は、まさに日進月歩で進化を続けており、もはや写真やイラストと見分けがつかないほどのビジュアルを生み出せるようになりました。
しかし、次々と登場する新しいツール、その多岐にわたる機能、そして複雑化する利用規約…。多忙なビジネスパーソンが、その全てを正確に把握し、安全にビジネス活用へと繋げるのは決して容易ではありません。
そこで私たちブルーアールは、AIプロモーション制作の現場に立つ視点から、現在公開されている主要な画像生成AIツールの最新情報を徹底的に調査・分析。各ツールの性能と、ビジネス利用における権利関係のポイントを、客観的な事実に基づいてまとめた決定版ガイドとしてこの記事を作成しました。
この記事が、AIがもたらすクリエイティブの可能性と、その活用に向けた情報収集の一助となれば幸いです。
もし、この記事を読み進める中で「AIを自社の宣伝・広告課題の解決に活用したい」「社内向けにAI活用の勉強会を開催したい」と感じられたなら、私たちがお力になれるかもしれません。まずはお気軽に、記事の末尾かお問い合わせからご相談ください。
最初に結論!主要な画像生成AIツール6選 比較早見表

まずは、今回ご紹介する6つの主要な画像生成AIツールの特徴と、ビジネス利用における重要なポイントを表でご確認ください。各ツールの詳しい説明は後の章で行いますので、ここでは現在のツール全体の状況を把握するためにお役立てください。
ツール名 | 主な特長 | 商用利用の条件 | 料金目安(月額) |
---|---|---|---|
Midjourney | ・高品質でアート性の高い作風 ・プロンプトへの忠実性が高い ・独自のコミュニティ文化 |
有料プラン必須(大企業は要上位プラン) | $10〜 ※Midjourneyのウェブ上で作品を非公開にするステルスモードの使用は$60〜 |
Adobe Firefly | ・Adobe製品とのシームレスな連携 ・Adobe Stockでの学習による安全性 ・「生成塗りつぶし」機能が強力 |
可 (ベータ版機能除く) |
1,580円〜 |
Ideogram | ・高精度な文字描画(タイポグラフィ) ・多様なスタイルを反映できる参照機能 ・プロンプト自動生成「Magic Prompt」 |
有料プラン推奨 | 無料〜 |
ChatGPT | ・自然な対話形式で直感的に生成 ・複雑な長文プロンプトの理解度が高い ・多機能なアシスタントの一部として利用可 |
有料プラン推奨 | 無料〜 |
Canva AI | ・豊富なデザインテンプレートと連携 ・画像生成から編集、資料作成まで完結 ・初心者でも使いやすい操作性 |
AI生成の明示必須 | 1,180円〜 |
Krea | ・リアルタイムでの画像生成・編集 ・手描きスケッチを高品質画像に変換 ・高解像度化や強化機能が充実 |
有料プラン必須 | $8〜 ※Ideogramのウェブ上で作品を非公開する設定を使用するのは$20 〜 |
▼実際の生成画像で比較したい方はこちら
【画像生成AIツール比較】主要6サービスを同一プロンプトで試す
各ツールの料金や条件は上記の通りですが、「実際に同じ指示を出したら、どのような画像が出てくるのか?」を比較した、より実践的なガイドもご用意しています。作風の違いやプロンプトのコツに興味がある方は、以下の記事も併せてご覧ください。
画像生成AIを選定する際の基本的な考え方

たくさんのツールがある中で、自社のプロジェクトに合わないものを選んでしまっては、期待した成果は得られません。ここでは、画像生成AIをビジネスで活用する際に、一般的に考慮すべき基本的な考え方を3つの視点で整理します。
視点1:画像の「目的」と求められる「品質」
まず検討すべきは、制作する画像がどんな役割を担うかです。例えば、ウェブサイトのキービジュアルや広告クリエイティブであれば、高解像度で芸術性の高い出力が可能なツールが選択肢となります。一方で、ブログ記事の挿絵やSNS投稿用の画像を迅速に多数用意したい場合は、生成スピードと操作性を重視したツールが適していると言えるでしょう。
視点2:プロジェクトで実現したい「技術要件」
次に、プロジェクトの具体的な要求と、各ツールの技術的な特徴を比べ合わせる必要があります。広告コピーやロゴのように画像内に正確なテキストを描画したい場合は「文字描画機能」に優れたツールが、既存の写真を修正・加工したい場合は「生成塗りつぶし(インペインティング)」機能を持つツールが候補になるなど、実現したい表現によって必要な技術要件は異なります。
視点3:ビジネス利用における「安全性とコンプライアンス」
特に企業での利用において、この視点は欠かせません。制作した画像の著作権はどのように扱われるか、企業の機密情報が外部に漏れるリスクはないか、といった点を事前に確認する必要があります。企業のコンプライアンス基準(法令遵守の基準)によっては、学習データがAdobe Stockなどに限定され、権利的にクリーンであることが保証されているツールの利用を優先する、といった判断も重要になります。
【利用条件を詳しく調査】主要な画像生成AIツール6選 徹底比較

それでは、現在公開されている主要な6つの画像生成AIツールを、客観的な情報と利用規約の分析を基に、詳しく見ていきましょう。ご紹介する全てのツールについて、より詳細な情報をまとめた解説記事へもご案内します。
Midjourney ― 他を圧倒する、高品質でアート性の高い表現力
Midjourneyは、その芸術的な作風と出力品質の高さで、数ある画像生成AIの中でも特にクリエイターから絶大な支持を得ています。Discordというチャットツールを介して利用する独自のカルチャーも特徴の一つです。
活用のポイントと商用利用の条件
商用利用は有料プランへの加入が必須条件です。特に年間総収益が100万ドルを超える大企業の場合は、Pro以上の高額プランへの加入が義務付けられています。その出力品質の高さから、広告用のメインビジュアルや、ゲーム・出版物のアートワークなど、クオリティが最優先されるプロジェクトで真価を発揮します。
▼Midjourneyの利用規約・料金プランの詳細はこちら
Adobe Firefly ― Adobe製品との連携と、ビジネス利用の安心感
Adobe Fireflyは、PhotoshopやIllustratorなどを提供するAdobe社が開発した生成AIです。最大の特徴は、学習データがAdobe Stockの許諾済みコンテンツなどに限定されており、著作権侵害のリスクが極めて低い点です。
活用のポイントと商用利用の条件
有料プランで商用利用が可能です。Photoshopの「生成塗りつぶし」機能など、既存のAdobe製品とシームレスに連携できるため、デザイン制作のワークフローを劇的に効率化します。企業のコンプライアンスを重視し、安全性を最優先で考えたいプロジェクトに最適です。
▼Adobe Fireflyの利用規約・料金プランの詳細はこちら
Ideogram ― ロゴやポスター制作に革命、高精度な文字描画
Ideogramは、画像内にテキストを正確かつ美しく描画する能力に特化した画像生成AIです。これまでAIが苦手としてきたタイポグラフィの領域で高い性能を誇り、ロゴデザインやポスター制作などで注目を集めています。
活用のポイントと商用利用の条件
利用規約上、無料プランからでも商用利用が許可されています。しかし、無料プランでは生成した画像が全て公開され、他のユーザーも閲覧できる仕様になっています。広告クリエイティブやブランドイメージなど、機密性が求められるビジネス用途では、非公開で画像を生成できる有料プラン(Plus以上)の利用が実質的に必須となります。 広告コピー入りのSNS投稿画像や、イベントのタイトルロゴなど、文字情報が重要なクリエイティブ制作において、他のツールにはない強みを発揮します。
▼Ideogramの利用規約・料金プランの詳細はこちら
ChatGPT ― 自然な対話から生まれる、直感的な画像生成
ChatGPTに搭載されている画像生成機能は、複雑な長文の指示(プロンプト)を正確に理解し、意図に沿った画像を生成する能力に長けています。自然な会話の流れの中で画像を作れるため、誰でも直感的に利用できます。
活用のポイントと商用利用の条件
商用利用の権利自体は無料プランのユーザーにも付与されますが、無料プランは利用回数制限があるため、ビジネス用途には適していません。そのため、生成回数が増える有料プランやデータ保護が強化されるエンタープライズでの利用が推奨されます。 チャットでのやり取りを通じてアイデアを練りながら、同時に画像を生成できるという特性は、企画の初期段階でのブレインストーミングや、プレゼンテーション資料の挿絵作成などで非常に便利です。
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Canva AI ― デザイン制作から資料作成までをワンストップで
オンラインデザインツールCanvaに搭載されたAI機能群「Magic Studio」の一部です。豊富なデザインテンプレートと連携し、画像生成から編集、SNS投稿作成、プレゼン資料化までをシームレスに行えるのが最大の強みです。
活用のポイントと商用利用の条件
商用利用は可能ですが、「AIで生成したこと」を明示する義務があるなど、独自の条件が定められています。デザインの専門知識がない人でも、テンプレートを活用しながら手軽に質の高いクリエイティブを作成できるため、企業の広報担当者やマーケターの日常業務を強力にサポートします。
▼Canva AIの利用規約・料金プランの詳細はこちら
Krea ― アイデアが即座に反映される、リアルタイム編集機能
Kreaは、手描きのスケッチやテキスト指示がリアルタイムで画像に反映される、インタラクティブな操作性が特徴のAIツールです。ユーザーが操作しながら、AIと共同でアートワークを創り上げていくような体験が可能です。
活用のポイントと商用利用の条件
商用利用には有料プランへの加入が必要です。アイデアを即座に視覚化できるため、デザインのラフ案作成や、クライアントとのイメージすり合わせの場で活用すると、コミュニケーションを円滑にし、制作プロセスを大幅に短縮できます。
▼Kreaの利用規約・料金プランの詳細はこちら
著作権だけじゃない!安全なAI活用に不可欠な4つの注意点

ツールの利用規約で「商用利用可」とされていても、それは「何をしても自由」という意味ではありません。思わぬトラブルを未然に防ぎ、企業として安全にAIを活用するために、法務や知的財産の観点から一般的に重要となる4つの注意点を、より深く掘り下げて解説します。
注意点1:全ての基本となる「利用規約」の継続的な監視
利用規約は、ツール提供者とユーザーとの間の法的な契約書です。ここには商用利用の範囲、禁止事項、著作権の帰属など、全ての基本が記されています。生成AIの世界では規約の更新が頻繁に行われるため、「一度確認したから大丈夫」ではなく、重要なプロジェクトを開始する前には必ず最新の規約に目を通す習慣が不可欠です。
注意点2:AIの「学習データ」に起因する潜在的リスク
AIが生成するコンテンツの独創性は、そのAIが何を学習したかに大きく左右されます。万が一、AIが著作権で保護されたコンテンツを無断で学習していた場合、生成物が意図せず著作物を真似してしまうリスクはゼロではありません。多くのツール提供者はこのリスクについて免責(責任を負わない)を主張するため、最終的な責任は使用者側にあると認識しておく必要があります。
注意点3:自ら「入力するデータ」の権利問題
AIに入力するプロンプト(指示文)、画像、動画、音声といった素材の権利はクリーンでなければなりません。例えば、インターネット上で見つけた他人のイラストを無断で入力して動画を生成すれば、それは著作権侵害にあたります。必ず、自社で権利を保有している素材か、正当なライセンス(使用許可)を得た素材のみを使用してください。
注意点4:生成物が偶然「他者の権利」を侵害する可能性
入力データに問題がなくても、AIが生成した画像が既存のキャラクターやロゴ、あるいは特定の個人の肖像に酷似してしまう可能性も考えられます。特に、実在のブランドや著名人に関する画像を生成する際は、商標権やパブリシティ権(有名人の肖像や名前を勝手に使用されない権利)といった他者の権利を侵害しないよう、細心の注意を払う必要があります。
画像生成AIの活用に関するFAQ

最後に、画像生成AIの活用について、一般的に多くの方が抱く疑問とその回答をまとめました。
Q. 画像生成AIを使うのに、専門的なスキルや知識は必要ですか?
A. 基本的な画像を生成するだけであれば、特別なスキルは必ずしも必要ありません。多くのツールは直感的な操作が可能で、簡単なテキスト指示(プロンプト)で誰でも画像を生成できます。しかし、企業のブランドイメージに合致させたり、広告クリエイティブとして特定のメッセージを込めたりと、ビジネス目的で「狙い通りの高品質な画像」を安定して生成するには、プロンプト技術やデザイン原則の理解、各ツールの特性を知り尽くした経験が求められます。
Q. 自社のブランドイメージに合った画像を生成できますか?
A. 多くのツールには、参照画像の色や作風を反映させる機能(スタイル参照)や、同じキャラクターを維持して生成する機能などがあります。これらの機能を活用することで、企業のブランドガイドラインに沿ったトンマナ(トーン&マナー)の画像を生成することができます。ただし、現状ではAIの特性上、毎回完全に同じ品質やスタイルを再現するには、細かな指示の調整や試行錯誤が必要となる場合があります。
Q. 結局、どのツールを使えば良いのでしょうか?
A. 本記事で解説した通り、目的に応じて最適なツールは異なります。「品質と芸術性ならMidjourney」「安全性ならAdobe Firefly」「文字を入れるならIdeogram」といったように、それぞれの強みを理解し、プロジェクトの要件に合わせて使い分けることが重要です。
まとめ:進化するAI技術と、その活用に求められる専門性
本記事では、商用利用が可能な6つの主要な画像生成AIツールと、その活用における重要な注意点を、客観的な情報に基づいて解説しました。技術の進化は目覚ましく、誰でも手軽に高品質なビジュアルを制作できる時代が到来しています。
しかし、その一方でツールの選定、規約の解釈、権利関係のリスク管理など、ビジネスで活用するには高度な専門知識が不可欠となっているのも事実です。
重要なのは、これらの複雑な要素を理解し、適切に管理した上で、いかにしてビジネス成果に繋げるかという視点です。
本記事は2025年7月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
※生成AIで出力したコンテンツを商用利用する場合は、利用規約の解釈や著作権リスクの評価について、社内の法務担当者や専門家にご相談することを強く推奨します。特に大規模な商用展開や重要なビジネス用途での利用前には、必ず専門的な法的助言を求めることが重要です。
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