【2025年6月】ElevenLabsは商用利用できるのか?利用規約をもとに徹底解説

AIによる音声合成技術が急速に進歩する中、「ElevenLabs」は特に高品質なText-to-Speech(TTS)技術で大きな注目を集めています。YouTubeやTikTokでの動画制作、企業の広告ナレーション、ポッドキャスト制作など、様々な用途での活用が期待されています。

しかし、多くのクリエイターや企業担当者が気になるのは「商用利用が可能かどうか」という点です。本記事では、ElevenLabsの利用規約を詳しく確認し、商用利用の可否について分かりやすく解説します。

ElevenLabsとは?

出典:ElevenLabs公式サイト(https://elevenlabs.io/ja

ElevenLabsは「音声合成」に特化したAIプラットフォームで、テキストを自然で感情豊かな音声に変換するText-to-Speech(TTS)技術を中心に、音声クローン、リアルタイムストリーミング、音声認識、会話エージェントなど多彩な機能を提供しています。

主な特長

1. 高品質Text-to-Speech API

Multilingual v2:メディア制作向けに最高評価を受けたモデル。自然な抑揚と深い感情表現が可能
Flash v2.5:対話用途に最適化された低遅延モデル(約75ms)で、リアルタイムストリーミングにも対応

2. 音声クローン機能

・数秒のサンプル音声から「Instant Voice Clone」を生成
・コミュニティ作成の1,000以上のボイスライブラリを共有

最新のEleven v3 (alpha)

2025年6月3日にリリースされた最も表現力豊かなTTSモデル。

・70以上の言語対応
・インラインで感情や効果を指定できる「オーディオタグ」(例:[excited], [whispers])
・複数スピーカーの自然な対話(Dialogue Mode)

活用事例

・グローバル広告キャンペーンやナレーション制作
・オーディオブックやポッドキャストの自動生成・多言語配信
・ゲームや映像作品のキャラクターボイス制作
・コールセンターの自動応答システム

日本での利用について

ElevenLabsは、Googleアカウントやメールアドレスから登録でき、日本からも利用できます。

ElevenLabsの料金プラン

出典:ElevenLabs公式サイト(https://elevenlabs.io/ja/pricing

ElevenLabsには無料プランと複数の有料プランが用意されています(2025年6月現在)。

無料プラン

料金:$0/月
・クレジット:10,000クレジット/月
利用可能時間:高品質テキスト読み上げ約10分
商用利用:不可

有料プラン

Starter(スターター
料金:$5/月
クレジット:30,000クレジット/月
利用可能時間:高品質テキスト読み上げ約30分
商用利用:可能

Creator(クリエイター)
料金:$22/月(初月50%オフで$11)
クレジット:100,000クレジット/月
利用可能時間:高品質テキスト読み上げ約100分
商用利用:可能

Pro(プロ)
料金:$99/月
クレジット:500,000クレジット/月
利用可能時間:高品質テキスト読み上げ約500分
商用利用:可能

出典:ElevenLabs公式サイト(https://elevenlabs.io/ja/pricing

その他、Scale、Business、Enterpriseといった企業向けプランも用意されています。

商用利用について【結論:有料プランのみ可能】

ElevenLabsの利用規約を確認すると、商用利用に関して明確な区分が設けられています。

無料ユーザーの場合

利用規約の「Use Restrictions」セクションには、以下のように記載されています。

出典:ElevenLabs Terms of Service (non-EEA)(https://elevenlabs.io/ja/terms-of-use

日本語訳:
無料でサービスにアクセスまたは利用する場合(そのようなユーザーを「無料ユーザー」という)、非商業目的でのみサービスを利用することができます。

つまり、無料プランでは商用利用が明確に禁止されています。

有料ユーザー(Paid User)の場合

同じセクションで、有料ユーザーについては以下のように記載されています。

出典:ElevenLabs Terms of Service (non-EEA)(https://elevenlabs.io/ja/terms-of-use

日本語訳:
有料プランを通じてサービスにアクセスまたは利用する場合(そのようなユーザーを「有料ユーザー」という)、商業目的でサービスを利用することができます。

生成されたコンテンツの権利について

ElevenLabsで生成されたアウトプット(音声出力)に関する権利については、利用規約で以下のように定められています。

出典:ElevenLabs Terms of Service (non-EEA)(https://elevenlabs.io/ja/terms-of-use

日本語訳:
本契約に明示的に定められている場合を除き、ユーザーとElevenLabsの間では、ユーザーは自分のアウトプットに対するすべての権利を保持します。

これにより、有料プランのユーザーは生成された音声コンテンツを商用目的で自由に使用できることが明確になっています。

※ただし、生成AIで出力したコンテンツを商用利用する場合は、利用規約の解釈や著作権リスクの評価について、社内の法務担当者や専門家にご相談することを強く推奨します。特に大規模な商用展開や重要なビジネス用途での利用前には、必ず専門的な法的助言を求めることが重要です。

商用利用時の注意点

ElevenLabsには「Prohibited Use Policy」があり、以下のような用途は禁止されています。

禁止用途の遵守

ElevenLabsには詳細な「禁止利用ポリシー」があり、以下のような用途は厳格に禁止されています。

出典:ElevenLabs 禁止利用ポリシー(https://elevenlabs.io/ja/use-policy

子どもの安全関連

・未成年を含む性的に露骨な素材の作成・配布
・未成年を対象とした年齢不適切な素材の共有
・児童虐待や搾取の促進
・未成年に対するサイバーブリングや嫌がらせ

違法行為

・他者の知的財産権の侵害
・プライバシー権の侵害
・違法な商品・サービス・物質の交換促進
・人身売買や性的サービスの取引促進

詐欺的・虐待的行為

・他者を欺いて害を引き起こす可能性のある行為
・金融詐欺やその他の詐欺行為
・製品のガードレールの回避
・無許可のロボコールやスパムの配布

無許可のなりすまし

・同意や法的権利なしに他人の声を再現
・他人を嫌がらせや害を与える目的での無許可の音声使用
・AI生成音声であることを隠して他者を誤解させる行為

選挙関連の悪用

・誤解を招く情報による有権者抑制の煽動
・政治候補者や政府関係者のなりすまし
・特定の候補者を支持する政治キャンペーンへの参加

暴力・憎悪・嫌がらせ

・暴力的な脅威や過激主義の促進
・人身売買や性的暴力の関与
・保護された特性に基づく差別
・自傷行為の促進や医療誤情報の拡散

第三者の権利侵害の禁止

利用規約では、以下のように明記されています。

出典:ElevenLabs Terms of Service (non-EEA)(https://elevenlabs.io/ja/terms-of-use

日本語訳:
上記のライセンスを当社に付与するために必要なすべての権利を有していない入力の提供や出力の作成は行ってはいけません。

つまり、他人の音声を無断で使用したり、著作権のある文章を無許可で音声化することは禁止されています。

競合サービスの開発禁止

利用規約では、ElevenLabsと競合するサービスの開発目的での利用が明確に禁止されています。

出典:ElevenLabs 禁止利用ポリシー(https://elevenlabs.io/ja/use-policy

9j項目:
当社のサービスまたはその出力のいかなる部分も使用して、ElevenLabsと競合する製品、モデル、またはサービスを研究および開発すること、またはElevenLabsと競合すること。

9k項目:
当社のサービスまたはその出力のいかなる部分も、機械学習または人工知能モデルのトレーニングの入力として使用すること。

つまり、ElevenLabsで生成した音声を使って音声生成AIを開発したり、競合する音声合成サービスを作ったりすることは禁止されています。また、生成された音声データを他のAIモデルの学習データとして使用することも認められていません。

ボイスライブラリについて

ElevenLabsには、ユーザーが作成した音声モデルを共有する「Voice Library」機能があります。プライバシーポリシーでは以下のように記載されています。

出典:Privacy Policy(https://elevenlabs.io/ja/privacy-policy

日本語訳:
ボイスライブラリで他のユーザーに音声モデルを利用可能にすることを決定した場合、名前、略歴/説明、ソーシャルメディアのユーザー名とソーシャルメディアアカウントへのリンク、音声の特徴を含むプロフィール説明を含めることを選択できます。

また、他のユーザーとの音声モデル共有については、以下の通りです。

出典:Privacy Policy(https://elevenlabs.io/ja/privacy-policy

日本語訳:
他者があなたの音声モデルを使用して合成音声を生成することを許可する:ボイスライブラリであなたの音声モデルを他のユーザーが利用できるようにし、あなたの声に似た合成音声を生成できるようにすることを決定でき、この目的のためにあなたの音声データ(音声モデルを含む)を処理します。

法的根拠: この処理は「同意」に基づいて行われます(You have provided your consent)。

Voice Libraryの詳細な商用利用条件については、ElevenLabsの公式サイトで最新情報をご確認ください。

まとめ

ElevenLabsは最先端の音声合成技術を提供するAIプラットフォームとして、多くの可能性を秘めています。商用利用については、無料プランでは明確に禁止されているものの、月額わずか5ドルのStarterプランから商用利用が可能となります。有料プランでは生成された音声コンテンツの権利がユーザーに帰属し、YouTubeでの収益化、広告制作、ポッドキャスト配信など幅広いビジネス用途で活用できます。

ただし、第三者の権利侵害や詐欺的行為、競合サービスの開発などは厳格に禁止されており、特にElevenLabsと競合する音声生成サービスの開発や、生成した音声を他のAIモデルの学習データとして使用することは認められていません。また、Voice Libraryでの音声共有は同意に基づいて行われますが、詳細な商用利用条件については公式サイトでの確認が必要です。

大規模な商用展開や重要なビジネス用途での利用を検討する際は、利用規約や禁止事項を十分に理解した上で、必要に応じて社内の法務担当者や専門家に相談することが重要です。ElevenLabsの高品質な音声合成技術を適切に活用することで、コンテンツ制作やビジネス展開において大きな価値を生み出すことができるでしょう。

本記事は2025年6月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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