シネマティックなAI動画生成技術が急速に進歩している中、「Higgsfield」が大きな注目を集めています。静止画像から映画のような高品質な動画を生成し、プロレベルのカメラワークを誰でも簡単に実現できる革新的なプラットフォームとして、クリエイターからビジネス分野まで幅広いユーザーに利用されています。
しかし、ビジネスでの活用を検討する際に気になるのが「商用利用は可能なのか」という点です。制作物をクライアントワークに使いたい、マーケティング素材として活用したいという方にとって、利用規約の確認は欠かせません。
本記事では、Higgsfieldの商用利用可否について、利用規約の原文とともにわかりやすく解説します。
Higgsfieldとは？
Higgsfield（開発：Higgsfield, Inc.）は、静止画像やテキストプロンプトから映画レベルのシネマティック動画を生成できる最先端のAIプラットフォームです。特にプロフェッショナルなカメラワークやダイナミックなモーションコントロールに強みを持ち、40種類以上のプリセットモーションを搭載しています。
主な特長
1. 映画レベルのカメラワーク
・45種類以上のプリセットカメラモーションを搭載
・ドリーイン・アウト、クラッシュズーム、360度オービット、クレーンショットなど
・ワンクリックで映画的な演出を適用可能
2. Higgsfield Mix機能
・2つのカメラモーションを組み合わせ可能
・物理的に不可能な動きを実現
・独自の映像表現が可能
3. Start & End Frames機能
・2枚の画像を始点・終点フレームとして設定
・シームレスな動画生成が可能
4. モバイル対応
・iOS/Android向けアプリ「Diffuse」を提供
・スマートフォンからも高品質な動画編集が可能
最新機能・アップデート
FLUX.1 Kontextモデルの追加
画像生成AIモデル「FLUX.1 Kontext Max」を新たに実装。コンテクストを理解した一貫性のある画像生成や、画像内の局所編集、スタイル参照が可能。
Speak機能のリリース
アバターを最大13秒、好きな言語で喋らせる動画生成機能「Speak」を新規実装。リップシンクだけでなく、ボディランゲージや感情表現も自動化。
Canvas機能
静止画像へピクセル単位での製品配置や服の着せ替え、フェイス編集を数秒で実行。画像調整しつつ動画演出にも応用可能。
Higgsfield Effects / Effects Mix
23種類のVFXプリセットを用意し、動画に多彩な特殊効果を適用できる新機能を追加。
日本での利用について
Web版では、Googleアカウントやメールアドレスで登録でき、日本からも利用できます。また、iOS/Android向けのモバイルアプリも提供されています。
Higgsfieldの利用プラン
2025年6月現在、Higgsfieldは3つの料金プランを提供しています。
Basic Plan
・月額：$9
・月間150クレジット
・透かし除去
・商用利用可
・同時実行：最大2ジョブ
・Liteモデルへのアクセス
Pro Plan
・月額：$29
・月間600クレジット
・透かし除去
・商用利用可
・同時実行：最大3ジョブ
・Turboモデルへのアクセス
・Start & End Frame機能
・Higgsfield Speak機能
Ultimate Plan
・月額：$79
・月間1500クレジット
・透かし除去
・商用利用可
・同時実行：最大4ジョブ
・Turboモデルへのアクセス
・Start & End Frame機能
・Higgsfield Speak機能
・今後の機能のプレビューアクセス
商用利用はできるのか？【結論：全プランで可】
商用利用に関する基本条項
Higgsfieldの料金プランページでは、全プラン（Basic、Pro、Ultimate）において「Commercial use」と表示されており、商用利用が可能であることが示されています。
ただし、利用規約を詳細に確認すると、サービスの利用範囲について以下のように記載されています。
日本語訳：
本契約の遵守を条件として、当社はあなたに制限付き、非独占的、譲渡不可、サブライセンス不可、取り消し可能なライセンスを付与します：（i）あなたが所有または管理する単一のデバイス上でアプリケーションのコピーをダウンロード、インストール、使用し、そのアプリケーションのコピーを個人的または内部ビジネス目的でのみ実行すること
さらに、生成されたコンテンツの所有権について、以下のように明記されています。
日本語訳：
当社はあなたのコンテンツの所有権を主張しません。ただし、サービス上またはサービスに対してコンテンツを提供する場合、あなたは、当該コンテンツの所有権を有し、または当該コンテンツについて第4.3条（あなたのコンテンツに関するライセンス）に定めるライセンスを付与する十分な権利を有することを表明するものとします。
結論として、Higgsfieldでは料金プランページの表示により、全プラン（Basic、Pro、Ultimate）において商用利用が可能とされています。 ただし、利用規約では「個人的または内部ビジネス目的」との記載もあるため、大規模な商用利用を検討される場合は、利用規約の詳細な確認や、必要に応じてHiggsfield社への直接問い合わせをおすすめします。
※生成AIで出力したコンテンツを商用利用する場合は、利用規約の解釈や著作権リスクの評価について、社内の法務担当者や専門家にご相談することを強く推奨します。特に大規模な商用展開や重要なビジネス用途での利用前には、必ず専門的な法的助言を求めることが重要です。
ユーザーコンテンツと入力・アウトプットの取り扱い
Higgsfieldの利用規約では、ユーザーが提供するコンテンツと、AIによる入力・アウトプットの処理について、以下のように定められています。
日本語訳：
あなたが選択する適用可能なアカウント設定に従い、あなたは当社に対し、サービスの運営およびあなたへの提供を目的として、あなたのコンテンツ（全体または一部）を使用、コピー、複製、修正、翻案、二次的著作物の作成、翻訳、配布、公開実行、公開表示し、そこから収益またはその他の報酬を得る、非独占的、譲渡可能、永続的、取り消し不能、世界的、完全有償、ロイヤリティフリー、サブライセンス可能（複数階層のサブライセンシーを通じて）な権利（著作者人格権を含む）およびライセンスを付与します。
日本語訳：
当社は、ソフトウェアおよび技術（人工知能を含む）を利用して、当社サービスへのユーザー入力（画像や動画の説明文などのテキストプロンプトまたはその他のコンテンツを含む「入力」であり、本契約における「コンテンツ」の一部を構成します）を処理し、そのような入力に基づいて出力（以下「出力」といいます）を生成し、返却します。当社は、ユーザーの入力または出力のいかなる部分についても所有権を主張しません。第4.3条で付与されるライセンスに加え、あなたは、入力（およびあなたのコンテンツの残りの部分）および出力が、当社（およびその関連会社）の人工知能モデル、アルゴリズム、関連技術、製品、サービス（ラベル付け、分類、コンテンツモデレーション、モデルトレーニング目的を含む）の訓練、開発、向上、進化、改善、およびマーケティングやプロモーション目的のために使用される可能性があることを承認します。
重要なポイント
・Higgsfieldは入力データとアウトプットの所有権を主張しない
・ただし、サービス運営、改善、AIモデル訓練のために広範囲な使用権限が付与される
・入力データと出力データの両方が、AIモデル訓練やマーケティング目的で使用される可能性がある
・機密性の高いビジネスコンテンツを扱う場合は、これらの条項を十分に検討する必要がある
コンテンツ利用の制限事項
Higgsfieldの利用規約では、サービスの利用において以下のような禁止事項が明記されています。
違法・有害コンテンツの禁止
以下のようなコンテンツの作成や配信は禁止されています。
・違法、脅迫的、虐待的、嫌がらせ的なコンテンツ
・中傷的、名誉毀損的、欺瞞的、詐欺的なコンテンツ
・他者のプライバシーを侵害するコンテンツ
・不法行為的、わいせつ、攻撃的、冒涜的なコンテンツ
未成年の保護
・未成年者に害を与えるあらゆる行為
・未成年者の不適切、わいせつ、その他の好ましくない描写
商用活動の制限
当社の事前の書面による同意なしに以下の活動を行うことは禁止されています。
・コンテスト、懸賞、物々交換
・広告活動
・ネズミ講
スパム・迷惑メールの禁止
・無許可または迷惑な広告
・ジャンクメール、一括メール
知的財産権の侵害禁止
以下の権利を侵害するコンテンツの作成は禁止されています。
・特許権
・商標権
・企業秘密
・著作権
・プライバシー権
・パブリシティ権
・その他の所有権または契約上の権利
法令違反
・地方、州、国内、国際的な法律または規制の違反
・裁判所の命令の違反
競合サービスでの利用禁止
・Higgsfieldのサービスと競合する製品・サービスの開発、修正、微調整、改善目的での利用
・あらゆる種類のAIまたは機械学習アルゴリズム・モデルの開発、微調整、訓練目的での利用
第三者への支援・教唆の禁止
・上記の禁止活動を第三者が行うことを擁護、奨励、支援すること
プライバシーとデータ保護
データの取り扱い
プライバシーポリシーでは、個人情報の使用目的について以下のように定められています。
日本語訳：
サービスの提供と運営。当社は、以下のためにあなたの個人情報を使用する場合があります：サービスの提供、新しいプログラムとサービスの開発、サービスのセキュリティ機能の有効化、サービス上でのユーザープロファイルの確立と維持。
Higgsfieldがサービスを提供するために必要な範囲で個人情報が使用されます。これには、アカウント管理、サービス改善、セキュリティ強化などが含まれます。
AIモデル訓練に関する使用
日本語訳：
サービスの改善と分析。当社は、あなたの個人情報を使用して、サービスの使用状況を分析し、サービスを改善し（ユーザー共有マルチメディアデータおよびクエリ・プロンプトデータを使用してアルゴリズムを訓練することを含む）、その他の事業を改善する場合があります
Higgsfieldはサービス利用パターンや行動データを分析し、どの機能がよく使われるか、どのような設定が選ばれるかなどの情報を収集します。さらに、サービス改善の一環として、アップロードした画像・動画やテキストプロンプトもアルゴリズムの訓練に使用される可能性があります。これらの分析結果は、サービス改善や新機能開発に活用されます。
セキュリティ措置
日本語訳：
当社は、収集する個人情報を保護するために設計された多くの技術的、組織的および物理的保護措置を採用しています。ただし、セキュリティリスクはすべてのインターネットおよび情報技術に内在するものであり、個人情報のセキュリティを保証することはできません。
Higgsfieldはデータ保護のためのセキュリティ対策を講じていますが、100%の安全性は保証されていません。そのため、機密性の極めて高いコンテンツを使用する際は十分な注意が必要で、データ漏洩のリスクを完全に排除することはできないことを理解しておく必要があります。
商用利用の注意点
生成コンテンツの品質と責任
利用規約では、サービスの品質について以下のように明記されています。
日本語訳：
適用法で許可される範囲において、あなたのサービスの使用は完全にあなた自身のリスクであり、サービス（そこからのアウトプットを含む）は「現状のまま」および「利用可能な状態で」、すべての欠陥とともに提供されることを明示的に理解し、同意します。
生成されたコンテンツが期待通りの品質であることを確認し、商用利用前には十分な品質チェックを行うことが重要です。
責任の制限
日本語訳：
法律で認められる最大限の範囲において、当社およびその関連会社（以下「当社等」といいます）は、以下のうち最も大きい金額に制限されます：(i) 責任の原因となる事象の3か月前までにユーザーが支払った総額、(ii) 100ドル、または (iii) 該当する法定救済措置や罰金。
著作権と類似性の確認
生成されたコンテンツが既存の著作物に類似していないかを確認し、第三者の権利を侵害していないことを事前に確認することが必要です。
免責と賠償責任
利用者の免責義務
利用規約では、ユーザーの責任について以下のように定められています。
日本語訳：
あなたは、当社、その親会社、子会社、関連会社、役員、従業員、代理人、パートナー、サプライヤー、およびライセンサー（それぞれを「当社関係者」とし、総称して「当社関係者」といいます）に対し、以下のいずれかに関連するまたは起因する一切の損失、費用、損害、および経費（合理的な弁護士費用を含む）について、賠償し、免責するものとします： (i) あなたのコンテンツおよび/または出力物；(ii) あなたがサービスを利用する際の不正使用；(iii) あなたが本契約に違反した場合。
商用利用時には、コンテンツの使用に関する責任を理解し、適切なリスク管理を行うことが重要です
紛争解決と準拠法
Higgsfieldの利用規約では、紛争解決について詳細な仲裁条項が設けられています。
日本語訳：
第16条に定める仲裁合意（以下「本仲裁合意」といいます）から、第16.10条（30日間の選択権）に従い、30日以内に選択しない限り： (1) あなたは、当社に対する紛争または請求を追求し、救済を求める場合、個人としての立場でのみ行うことができ、いかなる集団訴訟または代表訴訟の原告または原告団のメンバーとして行うことはできません。
また、準拠法については以下のように定められています。
日本語訳：
本契約は、連邦仲裁法に準拠し、抵触法原則を適用しないカリフォルニア州法に準拠します。
Higgsfieldとの紛争は原則として仲裁で解決され、カリフォルニア州法が適用されます。ただし、少額裁判所での個別請求や知的財産権に関する差止救済については例外として裁判所での解決も可能です。
まとめ
Higgsfieldは革新的なシネマティック動画生成AIプラットフォームとして、2025年に多くの新機能をリリースし、ますます高性能になっています。
商用利用については、料金プランページの表示により全プラン（Basic、Pro、Ultimate）で可能とされています。 ただし、入力データと出力データの両方がAIモデル訓練やサービス改善に使用される可能性があり、機密性の高いビジネスコンテンツを扱う場合は十分な検討が必要です。
商用利用時には、生成されたコンテンツの著作権確認とリスク管理が重要です。特に大規模な商用展開や重要なビジネス用途での利用前には、専門的な法的助言を求めることをおすすめします。
本記事は2025年6月時点の情報に基づいて作成されています。生成AI技術は日々進化していますので、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
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